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SUNDAY LIBRARY

小林 聡美・評『ベランダ園芸で考えたこと』『ぼくの鳥あげる』

◆『ベランダ園芸で考えたこと』山崎ナオコーラ・著(ちくま文庫/税別740円)

◆『ぼくの鳥あげる』佐野洋子・著(幻戯書房/税別1800円)

 ひとり旅もいいけれど、このところ団体旅行のラクチンさに目覚めた。特に、日帰りのハイキングやウォーキング、簡単な山歩きなどの企画もの。富士山の裾野一周や旧街道、高原の長距離トレイルといったものを何回かにわけて踏破する、スタンプラリー的なお楽しみ感がいい。集合場所からバスに乗れば、スタート地点まで連れて行ってくれるし、現地には質問になんでも答えてくれる親切なガイドさんがいる。参加者のほとんどは、一期一会を心得た人生のベテランばかりだ。団体旅行なんてお仕着せで、自由時間も少なくて、ダサい、と思っていたのは体力も気力もある若いころ。ベテランは団体の中でも個として自分の内側に旅することができるのだ。

 自分にそんな境地が訪れたことにびっくりだが、境地といえば『ベランダ園芸で考えたこと』の山崎ナオコーラさんの園芸愛を通して巡らせた深い思索に感心し、いちいち共感した。30代に入って急に植物に萌(も)え(私も!)、山崎さんのベランダはたくさんの花や野菜、果樹で犇(ひし)めく。種から芽が出て、宇宙の法則に従って上へ上へと伸び、実をつけ、種を残す。ただそれだけの植物の営みの繰り返しを見ながら、山崎さんは…

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