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文芸時評

7月 私のおすすめ 倉本さおり(書評家)

(1)町屋良平『愛が嫌い』(文芸春秋)

(2)古谷田奈月『神前酔狂宴』(河出書房新社)

(3)ルシア・ベルリン著、岸本佐知子訳『掃除婦のための手引き書』(講談社)

 社会に包摂されない自分自身のありようを持て余す人びと。それがかつての小説における「フリーター」の姿だった。だが今や、社会の凸凹のほうが彼らの姿と奇妙に噛(か)み合い、欺瞞(ぎまん)を巻き込みながら輪転しているように映る。

 (1)は時短勤務が認められなかった友人に代わり、子供の保育園の送り迎えをしているフリーター男性が語り手。本来なんの責任も持ち得ない彼がいなければ、一家の生活はもはや成り立たない。硬軟織り交ぜた筆致が、時代の隘路(あいろ)の裏でまったなしに進行する人生の様相を精緻に捉える。

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