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日本文化をハザマで考える

第9回 日本の地方都市は、直接その独特な文化を世界に発信したい

支倉常長 (画家:クロード・デルエ)

 最近仙台に行った時、私はこの都市が、いかにさまざまな文学的な繋(つな)がりを持っているか、ということを改めて知った。たとえば、中国人作家、魯迅は20世紀初頭、医学生として仙台に住んでいた。

 支倉常長率いる侍と商人の一行が1613年、西洋に向けて出発したのも仙台藩からだったと思い出した。一行はまずメキシコに行き、そこから大西洋を横断してヨーロッパに到着し、スペインを旅してローマ法王に謁見した。旅をしている間に、ほとんどの者はキリスト教に帰依したが、1620年に日本に帰ると、キリスト教に対する幕府の対応が変わっていた。キリスト教は徹底的に弾圧され、信者は強制的に背信することを余儀なくされていたのだ。

 これらの事は1980年に出版された、遠藤周作の「侍」のテーマだった。遠藤の創作意欲をかきたてた、日本の「キリスト教の世紀」の終わりを告げる際の悲劇の一つと、私は思っていたものだ。

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ダミアン・フラナガン

ダミアン・フラナガン(Damian Flanagan) 1969年英国生まれ。作家・評論家。ケンブリッジ大在学中の89~90年、東京と京都に留学。93~99年に神戸大で研究活動。日本文学の修士課程、博士課程を経て、2000年に博士号取得。現在、兵庫県西宮市とマンチェスターに住まいを持って著作活動している。著書に「世界文学のスーパースター夏目漱石」。

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