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社説

最低賃金引き上げ 「1000円」時代へ改善急ごう

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 厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」は2019年度の最低賃金(時給)の目安額を全国平均で27円上げ、901円にすることを決めた。東京都と神奈川県は初めて1000円を超える。

     日本の最低賃金は先進国の中では低水準で、個人消費低迷の原因とされてきた。経済的理由で結婚や出産をあきらめている人も多い。少子化に歯止めをかけるためにも低賃金で働いている人の待遇改善が必要だ。

     まだ東京と神奈川だけとはいえ1000円台となる意味は大きい。それでも鹿児島県などは東京より200円以上も少ない。早期に全国平均1000円を実現するよう継続的な取り組みが必要だ。

     最低賃金は学生アルバイトや外国人労働者など、すべての労働者に適用される。地域間格差が現状のままでは外国人労働者は賃金水準の高い都市部へ集中するだろう。受け入れ拡大策の効果が人手不足の深刻な地方に及ぶようにするには、地方の最低賃金を一層引き上げるべきだ。

     中小企業には強い反対論もある。低賃金の非正規労働者を雇用することで経営が維持できている会社もあり、人件費の上昇が経営を圧迫して従業員のリストラや倒産が続出することへの懸念からである。

     従業員数では全体の約7割を占める中小企業だ。政府には商品やサービスの付加価値を高め、収益力アップにつなげるための支援策が求められる。大企業から不利な取引条件を強いられている下請け企業も多い。適正な取引慣行へ改めるよう大企業も協力すべきである。

     一部の富裕層と貧困層の格差拡大は先進国共通の課題だ。経営者の自主性に任せていたのでは賃上げはできないとして、政府主導で最低賃金を大幅に引き上げる潮流が各国で起きている。

     日本の場合、過去20年の平均経済成長率は実質、名目ともにプラスだが、賃金上昇率はともにマイナスだ。現在は現役世代の人口が減り、深刻な労働力不足にあえぐ企業が多い。低賃金の労働者を集めて低価格競争を続けたのでは、企業も働く人も疲弊するばかりだ。

     働く人が安心して暮らせる賃金水準を実現するため、産業構造や雇用環境も変えなければならない。

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