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社説

丸山議員が「N国」党入り かくて無節操がはびこる

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 自分が政界で生き残るためには政策など、もはや無関係なのだろう。

 北方領土を戦争で奪還する趣旨の発言をしたことなどにより、国会で糾弾決議が可決された丸山穂高衆院議員が、先の参院選で初の1議席を得た「NHKから国民を守る党」(N国)に入党した。

 続いて旧みんなの党代表だった渡辺喜美参院議員が、N国の立花孝志党首と参院で会派を作ったことにも驚く。こうして政治の節度が失われていく状況を深く憂慮する。

 N国は選挙中、NHK批判のみを繰り返し比例代表で約99万票を獲得した。その主張だけでなく、常識外れの政見放送が話題を呼び、一定の有権者の共感を呼んだのは事実だ。単一の政策を掲げる政党が生まれることを否定すべきではないだろう。

 看過できないのは、丸山氏がそもそもNHKの話に関心があったように到底見えないことだ。N国が問題視しているNHK受信料についても、丸山氏は以前「見ないから受信料を払わないというのは法令上通らない」とSNSで発言している。

 丸山氏は6月に事実上の辞職勧告を受けている。日本維新の会を除名されて無所属となり、国会で行き場を失っている中で、立花氏の誘いは渡りに船だったのだろう。自ら議員を辞職したうえで、次の選挙にN国から出馬するというのならまだしも、これは全く筋が通らない。

 渡辺氏は入党はしなかったが、同様に活路が見えない状況にある。会派結成は当面、国会での質問時間を確保するのが狙いのようだが、渡辺氏もNHKに関して「深く考えたことがない」とけろりと語っている。

 立花氏はさらに無所属議員ら複数の名を挙げて入党を呼びかけている。当選したらこうした行動に出ると選挙中に語っていなかったにもかかわらず、一転、政策は二の次で、とにかく議員数を増やすのが先という姿勢はやはり無節操だ。

 ドイツなどとは異なり、日本には「政党はこうあるべきだ」と規定するような政党法はない。思想・信条や結社の自由を束縛しかねない法律は必要ないと今も考える。

 ただし、それは政治家や政党が一定の節度や常識を持っていることが大前提だ。これでは政治そのものの劣化が激しくなるばかりである。

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