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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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 外務省ホームページに、日本と韓国の草の根交流に関するエピソード集「ちょっといい話」がある。4年前の日韓国交正常化50周年に際し作成された▲その中に、JR新大久保駅で2001年、ホームから転落した男性を助けようと日本人カメラマンと共に線路に飛び降り命を落とした韓国人留学生、李秀賢(イスヒョン)さんが取り上げられている。李さんは日本に高麗大学から留学中で、26歳だった。当時、勇気ある行動として感動を呼んだ▲李さんらの元には弔慰金が寄せられたが、李さんの両親は受け取りを辞退し、アジアからの留学生支援のために提供した。事故後、「エルエスエイチ(LSH)アジア奨学会」が設立され、18年までに韓国をはじめ18カ国・地域の897人の留学生に奨学金が贈られた。日韓の足元をこうした取り組みが支えた▲そんな草の根の努力を吹き飛ばす勢いなのが、日本が韓国を、輸出手続きの優遇措置を受けられる「ホワイト国」から除外する閣議決定である。経済に深刻な打撃を受ける韓国は激しく反発し、日韓の安全保障協力に影響が及ぶとまで警告する▲関係悪化は民間交流に影響し、毎日新聞の集計では7月以降、21道県で35件の行事が中止や延期になった。嫌悪する世論を意識し、「負の連鎖」に陥ったようだ▲奨学会で李さんの遺志を思い歌われる歌詞にこんな一節がある。<君の国と僕の国の架け橋になりたいと/語っていた君の夢/忘れないよ/いつまでも>。架け橋が今、かすむのがつらい。

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