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君は聖火を見たか

五輪と平和/6 本土復帰、希望だった 今も米軍機騒音、抱けぬ高揚感

沖縄戦の激戦地だった嘉数高台公園で、記憶を語る仲村元惟さん。左奥は米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾市で、徳野仁子撮影

 その日は雲一つない青空が広がっていた。1964年9月9日午後、沖縄・宜野湾市。仲村元惟(もとのぶ)さん(82)は高ぶった感情を抑えきれずにいた。目の前で、地元の高校生たちから20代の男性の手にトーチの火が渡されようとしていた。

 沖縄は当時、米軍統治下にあった。聖火リレーはそんな沖縄からスタートした。「沖縄を日本の一県として世界が認めてくれる。本土復帰への一歩だ」。このとき27歳。5年目の駆け出し教員だった仲村さんは20代の男性走者の監督を務めていた。白いジャケットとズボンに赤のネクタイ。日の丸をモチーフにした監督用の制服に身を包み、大きく手を上げ、走者に号令をかける。「駆け足、始め!」。監督車両に乗り込み、走者に並走した。

 沿道は観衆で埋め尽くされていた。車から手を振りながら喜びをかみしめた。「沖縄の人も国民の一人なんだという気持ちになった。みんな日本に帰りたいという希望を持っていた」

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