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社説

北朝鮮のミサイル発射 静観続ける日米の異様さ

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 北朝鮮が日本海に向けて相次いで短距離のミサイルを発射した。先月25日からの短期間で3回にわたり、計6発にのぼるという。

     北朝鮮は一部を多連装ロケット砲の試験発射と発表したが、韓国政府は迎撃が難しい新型短距離弾道ミサイルという見方を強めている。

     最長飛行距離は約600キロで、日本本土が射程に入る。危険な挑発行為であり、看過できない。

     国連安全保障理事会の決議は北朝鮮に弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射も禁止している。

     発射を受けた国連安保理会合で英仏独など多くの国が「安保理決議違反だ」と非難したのは当然だろう。

     驚くのは、トランプ米大統領の平然とした対応だ。「短距離で、多くの国が保有している」と容認しただけでなく、北朝鮮と「短距離に関する合意は一度も交わしていない。問題ない」とまで言い切った。

     だが、短距離かどうかが問題の本質ではない。北朝鮮が国際社会の合意に公然と違反し、緊張を高めていることだ。だからこそ、米国も「あらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄」を北朝鮮に迫ってきたのだろう。

     その米国をたしなめていいはずの日本に動きがないのも不可解だ。安倍晋三首相は「日本の安全保障に影響を与える事態ではない」と平静を装っているようにみえる。

     北朝鮮がミサイルを立て続けに発射し、「国難」と呼んで厳戒態勢を敷いた2~3年前に比べると、その落差は異様ですらある。

     首相が呼び掛ける前提条件なしの日朝首脳会談の実現に障害になるのを避けたいのだろうか。そうであっても短距離ミサイルが日本への大きな脅威である現実は変わらない。

     米韓の専門家らはミサイルの飛行特性が、ロシア製の新型短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に似ていると分析している。

     イスカンデルは落下時に変則飛行するため軌道の予測が困難という。日本や韓国に配備するミサイル防衛が突破されれば、軍を駐留させる米国も人ごとではすまないはずだ。

     一連の発射は対立が深刻化する日韓を揺さぶる狙いもあろう。静観が北朝鮮を増長させミサイルの連射を許しているのではないか。そうであれば決然とした態度を示すべきだ。

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