シークレット・スーパースター インド社会の価値観、笑いと涙を交え批判
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笑いと涙でいっぱいのインド映画。そして、アーミル・カーンの作品です。
アーミル・カーンは、この映画のプロデューサーでして、脇役としても登場しますが、この人が手がけた作品はどれもシナリオが練られていて、俳優も上手(うま)く、ボリウッド映画のなかでも抜きんでたものばかりです。
さらに、社会批評が入っている。「きっと、うまくいく」では学歴社会、「PK」はインドにおける宗教宗派の対立というように、アーミル・カーンは、娯楽性のなかに社会風刺を交えてきました。映画における社会性の表現は映画を堅くする危険がありますが、アーミル・カーンの場合はむしろ逆に、社会性によって映画を豊かにしている。インド映画の宝、インド社会の良心です。
主人公は14歳の少女、インシア。両親、弟、それにお祖母(ばあ)さんと一緒に、インドの小さな町ヴァローダに住んでいますが、音楽が大好き。自分で作曲して、ギターで弾いて歌います。でもお父さんがとんでもなく乱暴で、お母さんに暴力を振るうんです。インシアにも勉強しろの一点張りで、歌を歌うなんて許してはくれません。
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