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稲川淳二 夏恒例「怪談ナイト」全国ツアー中 怖さと温かさ、新たな語り

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「稲川淳二の怪談ナイト」を開催する稲川淳二=大阪市北区で、山崎一輝撮影
「稲川淳二の怪談ナイト」を開催する稲川淳二=大阪市北区で、山崎一輝撮影

 暑い夏の到来とともに、今年も「稲川淳二の怪談ナイト」全国ツアーが幕を開けた。古希を迎えた一昨年、「本物の怪談は70歳から」との思いから「怪談元年」とうたった稲川。今年は今までと一味違った新作怪談も携え、「元号が変わったからってわけじゃないんですが、いいのができたんですよ」と声を弾ませる。

 「心霊探訪」として各地を歩いて集めた断片をもとに、毎年ツアーに向け2、3週間、自身の工房にこもって新作を書き上げる。ある夜、ぞくっとする静けさの中でふと目が覚め、そのまま一気に書き上げた、というのが、戦時中の女学生と特攻兵とのやり取りを描いた一本。頭の中にずっとあった「二昔ほど前の終戦記念日に載っていた新聞記事」が形になったという。二軒長屋の住人が主人公の話は、生きている人間と妖怪、両方の怖さが一気に襲ってくる。「実際、これまとめながら、ちびったな。怖かった」

 「成功したら今までにない怪談になる」と語るのは、怪談というより不思議な話に近い一本。若い頃に暮らしたことのある街を訪れた男が、記憶からすっかり消えていた風景に遭遇する。「お客さんも、過ぎていった自分の時間や、すっかり忘れていたあったかいことを思い出して、生きてるっていいなあって感じてもらえるんじゃないかな」。闇の中ではなく明るい光の中で展開される怪談を「新たなチャレンジ」と語る。

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