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たたなづく

時超えた歌、歴史の価値実感=河瀬直美

奈良公園 飛火野にて。夕立のあとに=河瀬直美さん提供

 新作の撮影が終了してはや2カ月が過ぎようとしている。その間、120時間に及ぶ素材の整理やオッケーカットをつないで編集してゆく作業に没頭していた。

 一昨年、奈良市の高畑かいわいに一軒家を購入して、編集室にしつらえた。世界遺産の森がすぐそこにあり、春日大社や東大寺に歩いて行ける。小さなケーキ屋さんや雑貨のセレクトショップやオーガニックコットンの生地を使った良質な洋服を販売しているお店など数は多くないが、散策するには心地のいい地域である。かつて志賀直哉さんが暮らしていた住居がそのまま保存されていて内部を見学することもできる。そこには当時の文豪などが集まり、食事をしながら夜な夜な談議をしていたのだと聞く。文化が生まれる場所なのかもしれない。この地域は今回の映画のロケ地であり、その場所で映画というもうひとつの人生、世界を構築するために編集にいそしむということも感慨深い。

 自宅は奈良駅よりも北側にあるので、この編集室に向かうのに、奈良公園を通ってゆくことになる。奈良公園の中でも私が特に好きなのは飛火野という場所で、初夏にはとても奇麗な芝生の上に、神様の使いと言われている鹿の群れが夕暮れの光を受けて、伸び伸びと草をはむ光景が見受けられる。

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