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詩歌の森へ

「言葉」を考える詩集=酒井佐忠

 「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」とは田村隆一の詩篇「帰途」の中のよく知られたフレーズ。詩人は言葉に敏感な感性を持つから、逆にこのような詩句がうまれるのだろう。いま、日本の大詩人・中村稔の新詩集『むすび・言葉について 30章』(青土社)を手に、「言葉とは何か」との問いに再び立ちどまる。言葉の本質や機能、生態などについての省察を十四行詩の形式で発表しつづける詩人の三冊目、「むすび」の詩集なのである。

 「言葉は私たちが社会的な場にいるときしか機能しない。/私たちが社会から見捨てられ、孤立していると感じるとき、/言葉は私たちをつつむ闇の隅にひっそり身を潜めている。」。孤立する他者の真の悲しみに身を寄せるとき、詩人は言葉を失い、言葉は闇の中に身を隠し、むしろ無言と沈黙に力を感じる。

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