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踏み跡にたたずんで

石たちのあいだで=小野正嗣

 半世紀ほど前に亡くなった彫刻家のアトリエをそのまま公開しているという美術館は、ずいぶんとわかりにくいところにあった。

 駐車場からも遠かった。どうしてそんなところが駐車場なのかと不思議に感じられるほどだった。

 こぢんまりとした一軒家が両側に立ち並ぶ道を歩いているうちに、だんだんと人の数が増えてきた。

 全員が同じ方向に向かっていたから、そのほとんどが美術館を訪れる者だと思われた。

 日差しはきつく、かなり暑かった。ショーツとTシャツにサングラスという若い男女の姿が目立った。

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