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ジョンソン首相就任 英国の分断が招く危機=北海道大教授・遠藤乾

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ロンドンの首相官邸前で演説するジョンソン英首相=7月24日、ロイター共同
ロンドンの首相官邸前で演説するジョンソン英首相=7月24日、ロイター共同

 ボリス・ジョンソン氏が英国首相に就任した。彼は、3年前の英国民投票において欧州連合(EU)離脱派が勝利した際の立役者だった。前途は多難である。

 問題は、彼が離脱派であること自体にあるわけではない。残留に票を投じたメイ前首相は、うまくこの争点を扱えなかった。投票結果を踏まえれば、むしろ離脱派の首相の方が国論をまとめやすいのかもしれない。

 しかし、彼の場合、そうなる見込みは薄く、分断を深めそうである。まず、信頼性の問題がある。国民投票でEU離脱賛成を表明する数日前に残留賛成表明の草稿を書いていたのだから、無理もなかろう。要は機会主義者なのだ。それが、外交上の機知につながればよい。しかし、漏れ伝わる外相時代のエピソードには驚かされる。訪問相手国についての不都合な事実を外交官に聞かされると、耳をふさぎ、英国歌を歌いだすという。

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