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社説

米銃社会とヘイト 街角が「戦場」となる怖さ

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 簡単に銃を手にできる銃社会と、人種的な敵意をむき出しにした憎悪(ヘイト)が結びついたことに戦慄(せんりつ)を覚える。

     米南部テキサス州エルパソのショッピングモールでこの週末、買い物客らを無差別に狙った銃乱射事件があり、22人が死亡した。

     容疑者は21歳の白人の男で、中南米からのヒスパニック系移民を中傷し、今年3月にイスラム教徒らを殺害したニュージーランドでの乱射事件を支持する「犯行声明」をネットに投稿していたという。

     捜査当局は反移民感情を背景とする憎悪犯罪の疑いがあるとみて捜査している。

     「この国の真実は、銃だけでなくヘイトも大流行していることだ」。エルパソを地盤とする民主党下院議員は米国の病理をこう表現した。

     銃による事件を分析している非営利団体によると、今年の米国の銃乱射事件はすでに251件あり、死者数は8700人以上にも上る。

     別の研究機関は、全米30都市の昨年の憎悪犯罪が2009件に達し、5年連続で増加したと指摘する。

     乱射事件が憎悪のはけ口として起きる異常さは、米国の銃社会と人種差別の根深さを映し出している。

     エルパソでの事件から十数時間後に中西部オハイオ州の街頭でも銃乱射事件があり、9人が死亡した。

     動機は不明だが、いずれも殺傷力が高い自動小銃が使われたという。こうした銃は大勢を瞬時に殺害する戦場用として製造されている。街角に野放しにされていいわけがない。

     トランプ米大統領は犯罪歴や病歴など身元調査を徹底すべきだという。だが、乱射事件を根絶するには、自動小銃の販売禁止が不可欠だ。ニュージーランドは乱射事件を受けて即座に販売を禁止している。

     トランプ氏は「人種差別、偏見、白人至上主義を非難する」と述べたが、移民や有色人種を敵対視するようなトランプ氏の言動が憎悪を助長している面は否定できないだろう。

     エルパソの乱射事件後、容疑者の「犯行声明」を掲載したネット掲示板が「ヘイトを増幅している」と非難され、閉鎖に追い込まれた。

     米国の憲法は国民に銃の所持を保障している。同時にそれに伴う責任も忘れてはならない。

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