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言われたほうの自称非嫡出子もそのとおりに理解したらしく、「わたしは二重国籍者だから、アメリカ旅券のほかに日本旅券も持っているので問題はない」と微笑(ほほえ)みながら応じている。すなわち、日本国民である母親の子としてアメリカで生まれた彼は、国籍の選択をしないまま両国のパスポートを保持しているから、この自分は国務省の認可を受けずに北朝鮮へ渡航できると主張しているわけだ。
タクシードライバーが、旅行会社に追いはらわれてしまった奇態な乗客を最後に運んだ先は、丹東市濱江中路64号に所在する高層ツインタワービルだ。佳地広場なる名の同ビルA座二一階にある北朝鮮の領事事務所へひとりで出むいていったところで、自称非嫡出子の足どりはとだえている。
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