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<滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>
「名字と同じ名前の公園が都内にあるの、知ってます?」。雑誌記者の村田くみさん(49)に聞いて、東京都江戸川区の滝野公園に足を運んだ。「原爆の図」の丸木位里・俊夫妻の原爆犠牲者追悼碑があるという。
暑い--。地下鉄東西線の葛西駅から5分歩いただけで、シャツの背中が汗でぬれる。手前の公園の池で子供たちがはしゃいでいた。南北に長い公園には遊具はなく、敷地を取り囲む樹木とベンチだけ。南西の隅に、追悼碑はひっそり建っていた。
緑がかった2メートル四方の自然石に、花をくわえた白いハトの絵がある。ハトの中に朱色の線で母子が描かれている。碑に手を合わせれば、それが被爆地の方向だ。丸木夫妻から「下絵は描くから、自分たちで彫りなさい」と言われ、被爆者と支援者200人が40日かけてこつこつ彫ったという。1981年7月に完成。翌年、原爆の熱線で焼かれた「原爆瓦」が寄贈され、83年に「平和の鐘」を設置。さらに85年に広島・長崎両市か…
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