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女の気持ち

土産 山口県下関市・堀内美保子(73歳)

 用事があってなじみの営業マンに、わざわざ遠方から来てもらった。お礼に家庭菜園のわずかばかりの野菜を手渡し、彼は喜んで持ち帰ってくれた。その時、ふと50年ほど前に卒業論文に選んだスタインベックの短編集の中の「菊」という作品を思い出した。

 アメリカ、カリフォルニア州サリナスの片田舎、変化のない毎日の生活の中で、菊の栽培を生きがいとする主婦の元に、馬車に乗った見知らぬ男が立ち寄った。彼女はよい話し相手ができたとばかりに、夢中になって菊の話をして、土産に大事な菊の苗をいとお…

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