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原爆投下から74年 長崎で平和祈念式典 首相、今年も核兵器禁止条約に触れず

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平和祈念像に手を合わせる人たち=長崎市の平和公園で2019年8月9日午前8時49分、徳野仁子撮影

 長崎は9日、米国による原爆の投下から74年となる「原爆の日」を迎え、長崎市の平和公園で平和祈念式典があった。田上(たうえ)富久市長は平和宣言で、米露の中距離核戦力(INF)全廃条約失効などに触れ「核兵器が使われる可能性が高まっている」と危機感を表明。核廃絶を訴えてきた市民社会の役割を強調して連帯を呼びかけ、日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を迫った。一方、安倍晋三首相は3年連続、あいさつで条約に言及しなかった。

 式典は午前10時45分に始まり、被爆者や遺族ら約5900人が参列。原爆投下時刻の午前11時2分には黙とうをささげ、原爆犠牲者の冥福を祈った。

 平和宣言に立った田上市長は「核兵器は役に立つと公言する風潮が再びはびこり始めている」などとし、米露による新たな核兵器開発の動きや、2日に失効したINF全廃条約後の核軍縮の行方に危機感を表明。そのうえで、来年、発効50年を迎える核拡散防止条約(NPT)を踏まえ、核廃絶に向けた核軍縮の着実な履行を核保有国に求めた。

 2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は、いまだ発効していない。田上市長は、条約に批准していない日本政府の姿勢を「条約に背を向けている」と批判。早期の署名・批准を求めるとともに、唯一の戦争被爆国として世界におけるリーダーシップを発揮するよう政府に促した。

 宣言の冒頭では、17歳で被爆し家族を失った山口カズ子さん(91)=長崎県長与(ながよ)町=の詩を引いて被爆の惨状と非核の願いを表現。「人の手」によって「人の上」に落とされる核兵器は「人の意志」で無くすことができるとし「私たちは、無力ではない」と市民社会に連帯を呼びかけた。

 安倍首相はあいさつで、核軍縮について「核兵器国と非核兵器国との橋渡しに努め、国際社会の取り組みを主導する」と述べたが、条約には言及しなかった。

 被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた山脇佳朗(よしろう)さん(85)は、全ての核保有国に核廃絶を働きかけるよう安倍首相に求め「それが、原爆で失われた命、後遺症に苦しむ被爆者に報いる道」だと訴えた。

 式典には、核兵器保有国の8カ国のうちインド、パキスタンを除く6カ国を含めた66カ国の代表も参列。この日奉安された原爆死没者名簿には、この1年間で死亡が確認された3402人の名前が記され、総数は18万2601人になった。【今野悠貴】

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