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余録

暦を見たら、きょうは「山の日」だ…

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 暦を見たら、きょうは「山の日」だ。起源は何だったかなと調べて拍子抜けした。由来はなく、「山に親しむ機会を得て山の恩恵に感謝する」趣旨で、3年前に国民の祝日になった。「海の日」以来20年ぶりの新設だった▲お盆休みにつなげやすいので、この日に決まったらしい。来年は東京オリンピック閉会式の翌8月10日に変更されるという。万事お手軽なのが気になるが、これも当世風か。とはいえ、私たちの中には山への思い入れが確かにある▲民俗学者、柳田国男は若い頃、「山人論」を唱えた。民族や伝説の発掘を通じ、山には独自の習俗を持つ漂泊先住民の生き残りがいるのではと考えたのだ。岩手県遠野(とおの)地方で聞き取った説話集「遠野物語」もその一つである▲序文で「更(さら)に物深きところには又(また)無数の山神山人の伝説あるべし。願はくは之(これ)を語りて平地人を戦慄(せんりつ)せしめよ」と宣言した。急激な近代化と都市化で忘れられつつあった原日本像を山の民に見いだそうという熱い意気込みが伝わる▲怪談や陰惨な事件も語られ、ロマンチック一辺倒ではないが、柳田の詩的な名文により古典となった。民間伝承には、科学や知識ではとらえきれない歴史の真実が宿る。山の荒々しさと静けさは、私たちに畏敬(いけい)の念を抱かせる▲台風が次々に接近中だ。今年の夏の登山シーズンも終わりが近づいている。山は忘れた頃に噴火し、手入れを怠れば水害を起こし、崩落する。山への親しみと感謝は、確かに忘れてはならない大事な心に違いない。

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