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社説

温暖化と農業の未来 まず食卓から取り組みを

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 地球温暖化が食料生産を脅かし、食料の安定確保のための農地開発が温暖化をさらに加速させる。

     国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、温暖化と農業を巡る悪循環について警告を発した。

     温暖化を食い止める努力は「パリ協定」に基づき各国で進む。だが報告書は、陸地の気温は地球全体の倍の速さで上昇しており、砂漠化が進む一方、農地では干ばつや土壌の劣化、作物の病気などの被害が出始めていると指摘した。

     畜産を含む農業や森林伐採によって排出される温室効果ガスは、地球全体の排出量の約23%を占める。これを放置すれば地球は近い将来、食料確保か温暖化防止かの二者択一を迫られるという。

     温暖化の進行を防ぎつつ、増え続ける人口を飢えさせないための食料も確保するという難題に、世界は直面している。

     食料調達がグローバル化した今、実際の被害は局地的でも、影響は地球規模に及ぶ。「2050年には穀物価格が最大23%上昇する可能性がある」という予測は象徴的だ。

     日本は、大豆や小麦などの大半を輸入している。先ごろ公表された食料自給率(カロリーベース)は史上最低の37%だった。政府は45%に上げる目標を掲げるが、国内農業の衰退は止まらない。

     また、近年の異常気象は、主食のコメだけでなく、他の農産物の品質や収量に影響を与えている。

     どうすればいいか。すぐにできることは、食品ロスの削減だ。推計で食品ごみの4分の1、年間643万トンが、まだ食べられる状態で捨てられている。国民の栄養の6割以上を海外に頼りながら、このような浪費を放置していいはずがない。

     5月には「食品ロス削減推進法」が成立した。賞味期限に過度に厳格な流通ルールを見直すなど、製造・流通の段階から無駄を減らす努力を産業界はすべきだ。

     温暖化の被害を軽減するための対策も重要だ。気温上昇に強い品種への改良や転作など、農業は他分野にさきがけて模索が始まっている。

     地球を健やかな状態で子孫に引き継ぐために、一人一人ができることを「わがこと」として考えたい。

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