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社説

市民レベルの日韓交感 この価値観を絶やさずに

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 日韓政府間の対立を市民レベルまで拡大してはならない。そんな思いで行動する人々が双方にいる。

     ソウル中心部の中区で、区長が日本製品の不買運動を呼びかける「NO ボイコット日本」と書かれた旗の掲揚を指示した。ところが市民から「日本人観光客に不快感を与える」などと抗議が殺到し、旗は半日もたたずに撤去に追い込まれた。

     最近、韓国では文在寅(ムンジェイン)大統領は感情的な外交を慎むべきだという主張が動画投稿サイト「ユーチューブ」で広がっている。

     不買運動や日本旅行キャンセルなどの動きが沈静化したとは言えない。中区のほかにも、積極的に反日運動を行っている首長は各地にいる。日本との交流中断は、スポーツ界にまで飛び火した。

     そんな中において、冷静な対応を呼びかける声が上がっているのは救いである。

     日韓両国間では、悪化した政治とは無関係に交流を続けたいというツイートが日本語と韓国語でそれぞれ発信されている。市民の間で自然発生的に拡散しているようだ。

     過去の植民地支配の歴史を乗り越え、交流を通じた新しい日韓関係を構築しようと誓った1998年の日韓共同宣言から20年あまりが過ぎた。昨年、両国の往来者は1000万人に達した。

     問題は、政府間で続いている応酬の行方だ。

     日本政府は、輸出規制を強化した韓国向け半導体材料3品目のうち、一部製品の輸出を許可したと発表した。規制強化したのは、あくまで輸出管理の一環だと内外に強調する狙いがあるようだ。

     韓国政府は、これを受けて対抗措置の発表を延期した。日本側の今後の出方を見守る構えでいる。

     政府間の対立の構図は、基本的に変わっていない。徴用工問題や慰安婦問題での韓国側の対応に、日本で不満が強いのも事実だ。

     それでも、感情的な言動はお互いに傷を残すばかりだ。問題解決にプラスにならない。

     交流の拡大に伴い、少しずつ市民レベルの意識は変化してきている。相手国を肌で知る草の根の絆は底堅いだろう。こうした価値観を絶やさぬよう、大切にしていきたい。

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