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大竹文雄・評 『「家族の幸せ」の経済学』=山口慎太郎・著

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 (光文社新書・886円)

エビデンスの活用術も示す

 結婚や子育てでは、人生の中でも大きな意思決定を迫られることが続く。結婚するのか、誰と結婚するのか、子どもを母乳で育てるのか、保育園に預けるのか、育休はどうするか。

 こうした悩みには、知人のアドバイスやメディアを通じた情報を頼りにしがちだ。しかし、その多くは個人的な経験をもとにしている。果たして、そうした経験がどれだけ信用できるだろうか。家族形成の悩みに、エビデンスでどこまで答えられるのかを、最新の研究成果を気鋭の労働経済学者の山口氏が教えてくれる。

 まずは、結婚の悩みだ。日本の未婚率は高まっているが、その理由は、女性が子どもをもつ暗黙の費用の上昇、結婚から得られる「分業の利益」の下落が理由だという。また、最近のネットのマッチングサイトの分析から、万人受けするモテるタイプの存在がわかる一方で、人の好みは大きく異なること、ネットでないと見つけられない出会いもあることがわかる。異性が多い職場だと結婚する確率が高くなるけれど、離婚する確率も高くなる…

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