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社説

民法の規定見直し 無戸籍ゼロにするために

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 親が出生届を出さなかったのが原因で無戸籍者となった人は830人に上る。今年6月時点で法務省が把握している数だ。約8割は、民法の「嫡出推定」が原因とされる。

     法制審議会の民法(親子法制)部会が、その「嫡出推定」の見直しに向けた検討を始めた。

     民法部会が参考にするのは、法務省の有識者研究会が示した見直し案だ。ポイントは大きく2点ある。

     民法は、結婚中に妻が妊娠した子は夫の子とする「嫡出推定」を定めている。離婚後も300日以内に生まれた子は前夫の子とされる。見直し案はこの規定について、出産時に妻が再婚していれば現夫の子とみなすという例外規定をもうけた。

     また、現行規定は嫡出推定を覆す「嫡出否認」の訴えを夫だけに認めているが、子や妻も申し立てられるように拡大した。

     嫡出推定の例外規定は、どこまで実効力があるかは分からない。離婚後に新たなパートナーと婚姻せずに生活するライフスタイルはもはや珍しくない。例外規定はこうした女性には適用されないからだ。

     嫡出否認権の拡大は、無戸籍者を減らすことにつながりそうだ。

     現行規定では、妻が別居中に別の男性と子をもうけた場合、推定を覆すには夫の協力が必要となる。だが、別居の原因が家庭内暴力の場合などには協力を求めづらく、出生届を出さないケースが生じていた。

     子や妻が自分で訴えを起こせれば、夫に協力を求める必要はない。ただし、相手が家庭内暴力の夫だった場合、子や妻が申し立てをする「勇気」は必要で、ハードルが低いとは言えない。

     嫡出推定は明治時代から続く規定で、子どもを不安定な立場に置かないよう早期に父子関係を確定させる目的がある。

     見直し案はこれを維持する一方で、複数の規定の見直しにより、無戸籍者問題を解決すべきだと主張する。だが、その手法で、問題を完全に解消できるか懸念が残る。

     戸籍がないと原則として住民票やパスポートを取得できず、行政サービスが十分に受けられない。不条理としか言いようがない。

     無戸籍者をゼロにするための改正を目指すべきだ。

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