特集

ぐるっと東日本

「母校をたずねる」「旅する・みつける」「くつろぎの宿」「アートを歩く」などの連載を展開しています。

特集一覧

ぐるっと首都圏・食べる・つながる

栃木・那珂川 温泉トラフグ 海なし県で話題の特産に /東京

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
温泉で養殖されたトラフグ=栃木県那須烏山市の夢創造で
温泉で養殖されたトラフグ=栃木県那須烏山市の夢創造で

天然物に負けぬうまみ

 海から離れた栃木県那珂川町ではトラフグがとれるらしい。何だろうと思いきや、温泉で育ったトラフグが特産になっているのだという。町おこしを狙って、内陸の塩化物泉で海産魚を育てることを全国に先駆けて始めた。海を知らないトラフグ、果たしてその味は?【三股智子】

 山に囲まれた那珂川町の温泉は塩気がある。というのも太古の昔にはここは海の底だったのだ。「町おこしの資源にならないだろうか」。那珂川町で環境調査の会社を手がけていた野口勝明さん(62)は思った。「海なし県で海水魚を養殖したら話題になるし、新たな特産品になる」。野口さんは単価が高く丈夫なトラフグを選び、2008年から飼育試験を始めた。

 源泉の塩分は当時1%弱で、海水の3分の1ほどだ。生物の体液に近い濃度なので、トラフグにとっても浸透圧調整の負荷が少なく、その分成長しやすいのだという。また、陸上で養殖するため水温を年中一定に保て、冬場にフグの活性が落ちる問題もクリアできる。出荷サイズの1キロ以上に成長するまで海中なら2年かかるが、温泉トラフグは1年2カ月で到達した。天然では餌が原因で蓄積するフグ毒とも無縁--といいことずくめだ。

この記事は有料記事です。

残り527文字(全文1031文字)

あわせて読みたい

注目の特集