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社説

令和初の戦没者追悼式 受け継がれた平和の願い

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 終戦の日のきのう全国戦没者追悼式が営まれ、天皇陛下がこの式で初めておことばを述べられた。「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い--」と語り、慰霊と平和へのお気持ちを表した。

 平成の30年間、戦没者を悼み、遺族に寄り添って平和の尊さを後世に伝えていこうとした上皇さまの姿勢を、陛下が受け継いでいくことを明確に示した。

 戦後生まれで初めて即位した陛下は、幼少期以降、戦争の痛ましさを両親から繰り返し聞いてきたという。皇太子時代には広島、長崎、沖縄への訪問をはじめ、旧ソ連に抑留されてモンゴルで亡くなった日本人の慰霊碑を参拝するなどして、人々の苦難を心に刻んだ。

 かつて「戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています」と語ったのはこうした経験があるからだろう。陛下は愛子さまにもご自身の考えを伝えている。

 激動の昭和期とは違い、平成期は日本が戦争の当事者になることはなかった。上皇さまが昨年の戦没者追悼式で述べた「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致し」という表現は、陛下のおことばにもある。

 歴史と真摯(しんし)に向き合い、平成と同じように平和が続くことを願う強い意思がうかがえる。

 一方、安倍晋三首相は追悼式の式辞で今回も加害責任や「反省」に触れなかった。この姿勢は再登板後の2013年から変わっていない。

 戦後生まれは人口の8割を超えている。国から恩給を受ける旧軍人・軍属、遺族らはピークの1969年度に約283万人いたが、18年度には約28万人に減った。

 戦後74年を迎え、薄れていくばかりの戦争の記憶をどう受け継いでいくのかは社会全体の課題だ。

 国民の間では原爆や空襲の被害、戦場での経験などを若い世代が当事者から丹念に聞き取り、本人に代わって「語り部」となる動きも広がっている。こうした活動は貴重だ。

 戦争の記憶を受け継ぐのは容易ではない。しかし、日本が破綻寸前だったことを思えば、世代間で継承しなければならない。

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