メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

奪われた輝き

京アニ放火殺人事件/上(その1) 風描いたレジェンド

 「うまくなりたい!」。高校からの帰り道。吹奏楽部の練習で重要なパートから降ろされた久美子は、何度もこう叫び、泣きながら夜の橋を駆ける。セーラー服姿を捉える視点は背中から、横から、前からと転換し、背景を織り交ぜながら少女の内面を描き出す。

 吹奏楽で全国大会を目指す高校生を描いた京都アニメーションの人気作「響け!ユーフォニアム」の一場面。舞台は同社が本社を置く京都府宇治市の名所、宇治橋だ。「表情、髪の揺れ方、涙のこぼれ方、全て美しい」「テレビアニメで初めて泣いた」。ファンの間で名シーンと語られる。

 演出を手がけたのは、第1スタジオの放火殺人事件で命を奪われた木上益治(きがみよしじ)さん(当時61歳)。取締役も務めるこの道40年のアニメーターだった。「ドラえもん」やスタジオジブリ制作の映画「火垂るの墓」などの原画にも参加したが、広く知られるようになったのは事件の後。「知る人ぞ知るアニメ界のレジェンドだった」とかつての同僚は言う。

この記事は有料記事です。

残り359文字(全文777文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 元徴用工訴訟、日本資産の現金化は「望ましくない」  韓国大統領

  2. 「菅語」を考える 緊急事態なのに「あいさつ」 響かない首相会見 青木理さんが考えたメディアの責任

  3. 山口・宇部の病院で70人のクラスター 入院患者と職員

  4. お年玉付き年賀はがきの当選番号決まる 賞品引き換えは7月20日まで

  5. 「30%を切ったら危険水域」 菅内閣の支持率大幅低下に政府・与党危機感

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです