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余録

「水論」は、田んぼに引くかんがい用水の配分を巡って…

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 「水論」は、田んぼに引くかんがい用水の配分を巡って、周囲といさかいになることを言う。水争いとも呼ばれ、夏の季語だそうだ。農作物に限らず、人間の命に欠かせない存在であるだけに、水は昔から紛争や対立の火種になってきた▲21世紀に入り、長期の干ばつに見舞われたのはシリアだ。国内総生産の約4分の1を占める農業が大打撃を受けた。経済的困窮と人口の都市部への移動は社会を不安定化させた、と国連の報告書は指摘する▲もろくなった地域に食い込み勢力を拡大していったのが過激派組織「イスラム国」(IS)だとする専門家の分析もある。その通りなら、米国にある世界資源研究所が今月発表した報告書は、重大な警戒に値するものだろう▲今後数年内に深刻な水不足に陥る恐れが「極めて高い」と判定された国が17もあった。うち12カ国が中東と北アフリカに集中しており、イスラエルやイランが上位に入っている▲アジアはインドとパキスタンの2カ国だ。人口は合わせて世界の約5分の1にもなる。カシミール地方の領有権を巡り対立してきた両国だが、特にパキスタンにとって命綱のような川がそこを流れている▲「将来(インドとの間で)戦争が起きるとすれば、水を巡るものとなろう」。昨年、パキスタン軍の報道官が「予言」した。インドによるジャム・カシミール州の自治権剥奪と重ねると不穏なものを感じてしまう。大雨に悩まされる日本だが、地球の安定を脅かす遠い地の水論も、要注意である。

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