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Shall・we・バレエ?

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吉田都、華麗なラストダンス=斉藤希史子

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最後の演目「ミラー・ウォーカーズ」を踊る吉田都。後ろはイレク・ムハメドフ=写真家・長谷川清徳撮影
最後の演目「ミラー・ウォーカーズ」を踊る吉田都。後ろはイレク・ムハメドフ=写真家・長谷川清徳撮影

 英ロイヤル・バレエなどで最高位を長年務め、「至宝」と呼ばれた吉田都が8日、ついに現役を退いた。最後の舞台は「ラストダンス」と銘打って、自らプロデュース。日英の花形25人が東京・新国立劇場に集結し、不世出のバレリーナとの名残を惜しんだ。

 吉田が踊ったのはピーター・ライト版「白鳥の湖」終幕など4演目。「シンデレラ」では輝くトーシューズを抱きしめ「夢だったの?」と舞踏会を振り返る場面に、35年にわたる舞台生活への回顧を重ねたという。

 圧巻は島添亮子、永橋あゆみら国内6団のプリマを従えたフレデリック・アシュトン作「誕生日の贈り物」。各自の持ち味に合うソロを割り振ってのそろい踏みは、余人には実現できまい。折に触れ「バレエ界の発展に尽くすことが恩返し」と語ってきた吉田の人望あってこそだ。自身は本作で、名花マーゴ・フォンティンのパートに初挑戦。さりげないのに鮮やかで、揺るぎないのにたおやかな、真珠のごとき輝きを全うした。カーテンコー…

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