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余録

慣れた手つきでホースやバケツを運び…

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 慣れた手つきでホースやバケツを運び、新車を次々に洗う。おそろいのウインドブレーカー姿の人々は、東京都町田市にある高齢者向けデイサービスセンターからワゴン車でやって来る。彼らに認知症があることに気づく人は少ない▲デイサービスといえば、施設内で入浴や食事の介助を受けたり、介護予防の体操をしたりするイメージが強いだろうが、ここではリハビリやレクリエーションに「働くこと」を取り入れている。洗車のほか、製品の袋詰めや近所の学校の草取りも行っているという▲少子高齢化が急速に進んでいく中で、65歳以上を「支えられる側」に固定したままでは社会保障や経済は立ち行かなくなる。2025年には認知症の人は約730万人となり、認知症の介護などにかかる社会的コストも20兆円近くに膨らむといわれる▲「恍惚の人」は1972年に出版された有吉佐和子さんのベストセラー小説だ。介護や認知症が社会問題として注目されるきっかけとなったが、暴言や徘徊(はいかい)など認知症の負の側面を印象づけたとも言われる▲それから半世紀近くが過ぎた今も、認知症の発症の原因はわからず、根本的な治療法は確立していない。ただ、認知症の人たちの暮らしは変わってきた▲政府が6月に策定した認知症対策の新大綱では、鉄道やバスの会社に、認知症の人への対応計画の作成が義務づけられた。認知症になっても町で働いたり、活動したりする。そんな風景があちらこちらで見られる時代になるだろう。

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