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彫刻家オーギュスト・ロダンとその弟子カミーユ・クローデル、あるいは歌姫マリア・カラス--。盛夏の東京で不世出の芸術家の名をタイトルに頂くバレエが、相次いで上演された。色あせない作品と、実人生を彩った愛憎劇が舞台上によみがえる。「白鳥の湖」といったおとぎ話から「ロミオとジュリエット」などの劇的作品を経て、現代のバレエは「天才のノンフィクション」へと進むのか。振付家ボリス・エイフマンは「至高の芸術に接する度、私の興味はそれを生んだ人物の心理へと向かう。そして心理を表現するのに、人体ほど適した道具はない」と話している。
7月半ば、ロシアから21年ぶりに来日したエイフマン・バレエは「ロダン 魂を捧(ささ)げた幻想」を上演(静岡・グランシップと東京文化会館)。ラベルやサティなど同時代人の著名曲に乗せ、近代彫刻の父・ロダンの生涯を描き出した。弟子カミーユと内縁の妻との三角関係から、傑作群がマグマのように噴出する。
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