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終わらない氷河期

今を生き抜く/3 主食は100円のパン 元ネットカフェ難民の40歳 @東京

自らが更新した団体のウェブサイトのページを見る菅原さん(仮名)=東京都新宿区で、牧野宏美撮影

 冬の深夜、大きなリュックを背負い、ボストンバッグを抱えてインターネットカフェに帰る。オールナイトパックを利用し、ダウンジャケットを着て狭い個室でつかの間の睡眠をとる。早朝、また荷物を抱えて外へ。最寄り駅のコインロッカーを同じような境遇の人たちと奪い合い、荷物を預け仕事へ向かう。その繰り返し。節約のため、時々外で夜を明かした。「金がなくなると死ぬ。このお金で1カ月どう乗り切るか、そればかり考えていた」。東京都内に住む菅原健治さん(40)=仮名=は「ネットカフェ難民」だった6年前の自分をこう振り返る。プライドは傷つき、将来の展望は全く見えなかった。

 札幌市出身。高校ではうまくなじめず、3年生で中退。引きこもり生活を送った後、アルバイトを経て21歳の時に上京した。不登校の支援をするNPO法人が始めた私塾に入るためだった。2000年、就職氷河期の真っただ中。「学歴に頼らない自由な生き方をしよう」との私塾の呼びかけが魅力的に聞こえた。父が飲食店の経営に失敗して家庭も経済的に苦しく、高校で就職相談をした時も求人は少なかった。「就職できるかどうかも分からないのに、大学に行っても仕方ない」。私塾に通い、フリーターとして生きていくのが「かっこいい生き方」と思った。

 居酒屋、コンビニ、レンタルビデオ店、ファミレス……。アルバイト情報誌を見て求人を探し、バイトを掛け持ちして生活費を稼いだ。平均月収は9万~10万円程度。家賃2万5000円を払うと生活は楽ではなかったが、20代の頃は苦痛ではなかった。30代になり、接客業を中心にバイトの面接で落ちることが増えた。

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