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社説

復興庁の存続方針 防災司令塔の議論は半ば

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 東日本大震災からの復興を担当してきた復興庁について、政府は現在の設置期限が切れる来年度末以降も存続させる方針を固めた。

 自民、公明両党が安倍晋三首相に存続を提言し、首相も「提言をしっかり受け止めて生かす」と応じた。首相の直轄組織として、専任閣僚を置く今の体制が維持される。

 政府は今年3月、いったんは後継組織を設置すると決めていた。与党内で取りざたされたのは、内閣府へ移管して金融庁のような外局とする案などで、内閣府防災担当と統合して被災地の復興と他の災害への備えを併せて担わせる案もあった。

 だが、そうした組織になった場合、権限が縮小したり、防災に重心が置かれて東北の被災地支援が後手に回ったりするのではないかと懸念する声もあったため、結局、存続に落ち着いた。

 被災地の復興に向けた取り組みを緩めないのは当然だ。

 特に福島は、原発の廃炉や除染、住民の帰還など課題がまだ山積している。岩手、宮城の津波被災地も、来年度末までにハード面の復興事業はおおむね完了するが、被災者の心のケアなどソフト面の課題は残る。

 このため、被災地の首長からも、復興庁の存続に安堵(あんど)の声が上がっている。

 復興庁は当初、省庁の縦割りを排して復興の計画から実施までを担うことが期待されたが、実際は省庁間の調整などに業務が限定された。今後はいっそう被災地の要望に一元的に対応していく必要がある。

 一方、今後30年間に高い確率で、南海トラフ地震や首都直下地震という大災害の発生が予測されていることも忘れてはならない。

 国の防災部門の中心となる現在の内閣府防災担当は職員が100人弱にすぎず、しかも他省庁などからの出向者が多い。国家の存亡にかかわる危機に備えるのに、体制が万全とは言い難い。

 復興庁が存続することにより、防災強化の議論がしぼむことがあってはならない。

 政府は復興庁の新たな設置期限などの基本方針を年末までにまとめ、関連法案を来年の通常国会に提出する。防災の司令塔となる組織の設置方針も併せて示すべきだ。

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