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ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

奥原希望=和田大典撮影

アスリート交差点2020

己と向きあう ライバル意識持ち続け=バドミントン・奥原希望

 19日から世界選手権(スイス・バーゼル)が始まりました。私は「絶対王者」を目指していますが、今大会の男子シングルスで2連覇を狙う桃田賢斗選手(NTT東日本)は勝負強く、勝つべき時に勝つ希少な選手です。今回は、同学年の桃田選手の話をします。

     桃田選手は、バドミントンへの思いが熱いです。休憩中でもコートが空いていたら打っていますし、練習後も気になる点があると、ひたすら同じショットを続けています。フットワークでも常にステップを踏んで細かく動いているので、他の人よりも息が上がる。コート上で誰よりも自分を追い込んでいます。私が、日本代表の選手内でアドバイスを求めるのは桃田選手だけです。バドミントンについて最もよく考えていて、真っすぐに向き合ってくれます。

     桃田選手は「見ているだけでは何がダメなのか分からない。相手の球を受けるから、どこを直したらいいか感じ取ることができる」という考え方です。全体練習後に打ち合ってもらった上で助言をもらいます。特に昨年は回数が多く、代表合宿のたびに1回はやりました。頼むと、口では「またか」と言うのですが、どれだけ疲れている時でも断らず、とことん付き合ってくれます。

     昨年、一度、桃田選手のスピードに付いていこうとして焦っていると「なんで急ぐの。奥原のいいところはそこじゃない。スピードの変化がないと、相手はプレッシャーを受けない」と言われました。緩急を使った球出しの大切さを再確認できました。

     他の選手は雰囲気やフォームで返球を読めますが、桃田選手は同じフォームで打ってくるので、どこに返ってくるのか全く読めません。考えれば考えるほど分からなくなってきます。そこが強さの秘訣(ひけつ)だと思います。

     桃田選手から助言を求められたことは一度もありません。私の方が良い成績を残したり、先にタイトルを取ったりした時もありますが、ずっと桃田選手を追いかけている感覚です。ライバル意識を持ち、ずっと付いていきたいと思っています。(あすは柔道・阿部一二三です)(タイトルは自筆)


     Q 印象に残っている夏の思い出は?

     A 2年前の8月に行われた世界選手権の優勝です。リオデジャネイロ五輪後の右肩の故障から復帰し、プロ転向を模索していた時期でインパクトのある結果を求めていました。「この大会で優勝したらプロになれる。優勝できなければ厳しい。今後の人生が決まる」と覚悟して臨みました。

     決勝は1時間50分の長い試合でしたが、譲るわけにはいきませんでした。優勝の瞬間に「これでプロに踏み出そう」と決意が固まりました。


     ■人物略歴

    おくはら・のぞみ

     長野県大町市出身。2011年の全日本総合女子シングルスで史上最年少(16歳8カ月)優勝。16年リオデジャネイロ五輪銅メダル、17年世界選手権優勝。太陽ホールディングス所属。24歳。