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ナビゲート2019

旅の収穫=山内マリコ(作家)

 バカンスの語源はvacantと通じる。「空いている」を意味するので、トイレの個室ドアで時たま目にする。

 年に5週間の有給休暇がとれるフランス人は、バカンス先では何もせず、のんびり過ごすという。「空っぽになる」のがバカンスの過ごし方と知って以来、そんな旅に憧れていた。

 人生初のバカンスをと、8月のはじめにバリ島へ行った。なんとか工面した予定は8泊10日。プールサイドでひたすら読書という、自分にとって最高級の贅沢(ぜいたく)を堪能した。が、終始あと何冊読める?というよこしまな焦りと闘っていたため、空っぽの境地には遠く及ばず。いつかはひと夏を避暑地で過ごしてみたい。

 20代のころはお金もなく、旅行どころじゃなかった。そのせいか、ようやく海外に行けるようになった今も、妙に気負ってしまう。旅とは何か、人はなぜ旅をするのか、いちいち考えてしまうし、そこから何かを得たいという期待が捨てられない。空っぽになることを「目標」に掲げる始末だ。

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