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社説

再開された商業捕鯨 やはりマイナスが大きい

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 7月から31年ぶりに商業捕鯨が再開され、捕獲された鯨の肉が料理店などに流通し始めている。

 卸売市場では、ご祝儀相場で鯨肉が高値で取引され、捕鯨拠点がある北海道・釧路や山口・下関などでは「鯨食文化復活」を期待する声が出ている。

 商業捕鯨は日本の領海と排他的経済水域(EEZ)内で行われ、年末までにミンククジラやニタリクジラ、イワシクジラの3種計227頭を捕獲する計画だ。

 だが、捕鯨を商業的に成り立たせるのは容易ではない。1960年代に20万トンを超えた国内の鯨肉消費量は近年、5000トン前後と落ち込み、消費者の鯨肉離れが進んだ。

 新たな販路を広げるのも難しい。環境保護など企業の社会的責任が問われる中、大手スーパーは鯨肉販売を自粛したり、捕鯨拠点のある一部店舗にとどめたりしているからだ。

 一方で、国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、単独主義に走った日本への国際社会の目は厳しい。

 政府は南極海などでの調査捕鯨から撤退し、商業捕鯨での捕獲数は調査捕鯨の年600頭程度より大幅に減ると強調する。

 水産庁は、捕獲枠が「IWCの算定方式で100年間、捕獲を続けても資源に悪影響を与えない水準だ」と説明し、国際社会の理解を得ようとしている。

 しかし、日本の思惑通りにいくかは分からない。国連海洋法条約65条は、鯨類の資源管理について「適当な国際機関を通じて活動する」と定めている。

 政府はIWCの科学委員会のオブザーバーとして国際協力を続けるというが、専門家は条約違反の可能性を指摘する。反捕鯨国などから国際訴訟を起こされるリスクがある。

 また、日本が注力するサンマやマグロなどの国際的な資源管理交渉に悪影響を与えるのも必至だ。中国などに乱獲防止の国際協調を求めてきたことと、つじつまが合わない。

 政府は「長年の空白」を理由に捕鯨業者を財政支援しているが、いつまでも補助金頼みとはいかない。

 伝統的な鯨食文化は否定しないが、国際的に批判され、商業的にも成り立たないのならば、マイナス面の方が大きいと言わざるを得ない。

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