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社説

障害者差別の解消 配慮の範囲をもっと広く

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 障害者差別解消法の施行から3年がたち、改正に向けた議論が進められている。

 法律は、障害を理由に不利な扱いをしないだけでなく、障害者の就労や社会参加に必要な配慮をすることも公的機関や企業などに求めている。「合理的配慮」と呼ばれるもので、車いす用のトイレの設置、点字や手話などの情報保障、知的障害者や発達障害者に合ったわかりやすいコミュニケーションなどを指す。

 改正に向けた論点は多岐にわたる。公的機関は合理的配慮が法的義務だが、民間は努力義務にとどまる。働く場については民間企業も障害者雇用促進法で法的義務とされている。差別解消法で努力義務にとどめる理由はないだろう。

 国会と裁判所は同法の対象外となっている。三権分立の観点から自主的な取り組みに委ねるというが、説得力のある理由だろうか。

 参院選で当選した重度障害の議員の採決方法やヘルパー負担をめぐって議論となっている。これを機に、国会も同法の対象とし、合理的配慮を進めるけん引役になるべきではないか。これからは議員だけではなく、参考人や傍聴者にもさまざまな障害のある人が増える可能性がある。

 罰則規定がないこと、相談や解決に直接当たる機関がないことについても批判がある。多くの論点を掘り下げて、実効性を高める改正につなげるべきだ。

 3年前に同法が施行されてから、重度障害者が19人殺害される相模原事件が起きた。中央省庁の障害者雇用の水増しも発覚した。障害者差別の根の深さを見せつけている。

 その一方、旧優生保護法下での障害者に対する強制不妊手術問題で、国は救済法を制定し、後に被害者に謝罪した。障害を理由に公務員などになれず、公的資格を得られないことなどを法律で規定した「欠格条項」の改善も進んだ。今年の通常国会で計187本の法律にあった同条項を一括削除する法律が成立した。

 今後は障害者の就労がさらに広がり、多様な特性を持った人々が増えていく。法制定時には想定していなかったことも起きるだろう。そうした未来を照らす灯台の役割を解消法は担っている。合理的配慮を広げ、誰もが暮らしやすい社会にしよう。

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