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詩の橋を渡って

書いてはやり直すように=和合亮一(詩人)

和合亮一 詩人

8月

へのへのもへじ

ひとりぼっちで さみしいから

もひとつ

へのへのもへじ

 一篇を作り出すのには時間と労力を要する。それらが集まって書物となる時に、ふと数年が経(た)ってしまっている。この夏にもたくさんの詩集が届き、詩人たちのそれぞれの歳月の重みが一冊へと凝縮されていることをあらためて感じながら、言葉に帯びている熱をずっと受けていた。詩作の年月を書籍へと変えることができた時に、例えるなら長い日記を書きあげたかのような喜びに心が満たされていくのを、私なりに幾度も思い起こしながら。

 机の上の数多(あまた)の最新詩集の中でも、とりわけ長いタイトル。相沢正一郎『パウル・クレーの<忘れっぽい天使>を だいどころの壁にかけた』(書肆山田)。この絵にまつわる表題も詩人の傍らにある日記の一文からである。その頁(ページ)をめくる瞬間を「ドアノブをにぎった手に力をあつめ、ドアをあけるようにして、あなたはあなたの時間の部屋にはいる」と語る。記されている様々な細かい出来事にあちらこちらで触れな…

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