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社説

消費者庁の一部移転 すみ分けに見合う成果を

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 地方移転を検討していた消費者庁は一部の機能だけを徳島県に移すことを決めた。宮腰光寛消費者担当相が発表した。すでに試験的に移転していた業務を拡充し、来年度に常設部署を新設するという。

     安倍政権が「地方創生」の目玉とした省庁移転の一環だ。東京一極集中の是正を目的として2015年に政府が呼びかけ、42道府県が69機関の誘致に名乗りをあげた。

     しかし、消費者庁を含めて最終的に移転を決めたのは、21年度までに京都府に全面移転する文化庁と、和歌山県に統計局の一部をすでに移転した総務省の3省庁にとどまった。

     国会対応など政治や行政の中心である東京からの分散には限界があるということだろう。一部移転でお茶をにごした印象は否めない。

     ただし、移転を決めたのであれば、中央とのすみ分けに見合う成果を出す必要がある。

     消費者庁は移転に向けて2年前から徳島県庁内に事務所を置き、どんな業務ができるかを試行実施し、検証してきたという。

     クイズで消費者トラブルを学ぶ同庁作成の教材「社会への扉」を使った授業を県内の全高校で実施したほか、環境や人権に配慮した「エシカル(倫理的)消費」などを研究し、啓発をしてきた。これを踏まえ、新拠点を消費者研究などを担う「新未来創造戦略本部」とする。

     消費者行政に深く関わる研究テーマに取り組み、消費者行政に反映させることは重要だろう。先行実施して得た知見を生かす工夫も必要だ。

     ただし、一部機能の移転でどんな成果を得ようとしているのか。新設部署の具体的な目標や展望を示すべきではないか。

     宮腰氏は「東京と徳島の両方で政策立案し『車の両輪』とする」と語った。人員も拡充されるが、単に屋上屋を架すことになるのでは困る。

     組織の肥大化を生むなら行政改革の目的にも反する。そうした批判を招かないためにも、生産性を高める努力を忘れてはならない。

     東京との情報共有や連絡調整という課題もある。徳島県は高速ネット環境の整備などに熱心だ。IT先進県を目指す同県と、情報通信技術の面でも連携を深めることで、新たな可能性を生み出してほしい。

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