日本再発見 松井孝治さんの粋 東京・下町に通じる気風

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松井孝治 慶応大教授=鈴木琢磨撮影
松井孝治 慶応大教授=鈴木琢磨撮影

 僕が生まれ、育ったのは京都の旅館です。高倉通りに面した木造3階建ての1階の片隅にわが家がありました。創業80年ほどでしょうけど、京都じゃとても老舗とは呼べません。小学生のころは、雨が降れば、夕方、お客さんがやってくるまで、大広間や庭で友だちとかくれんぼです。町中の学校なので、うちわ屋さんやまんじゅう屋さんとか商売人の子が多くてね、旅館の息子も僕のほかにもう1人いました。

 おふくろはおかみです。睡眠は4~5時間、年中、和服姿で、がむしゃらに働いてました。おふくろの手料理を食べられないのが寂しかった。ご飯はいつも板場さんが作ってくれる。まかないをアレンジして、牛肉のしぐれ煮とか、おあげと水菜の炊いたんとかね。弁当のおかずも普通の卵焼きじゃなく、だし巻き。みんなの弁当箱をのぞいて、タコちゃんウインナーが入ってたりするのがうらやましくて。

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