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大産大の社保料過少納付 教職員の退職後の年金が減る 最大年8万円

社会保険料過少納付問題について謝罪する大阪産業大の吉岡征四郎理事長(中央)ら=大阪府大東市の同大で2019年8月23日午後2時2分、原田啓之撮影

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 大阪桐蔭高校などを経営する大阪府の「学校法人大阪産業大学」(大産大)は23日、遅くとも1990年以降、教職員の年金、医療、介護などの社会保険料を過少に納付していたと発表した。不足額は累積で10億円以上とみられ、教職員が退職後に受け取る年金も減っていた。社会保険料算定の根拠となる報酬から残業代や交通費などを違法に除外していたためで、管理職は問題を指摘されながら過少納付を続けるよう担当者に指示していた。

社会保険料の過少納付問題の構図

 私立学校の教職員は、文部科学省の外郭団体「日本私立学校振興・共済事業団」が運営する私学共済に加入する。厚生年金、公的医療保険、介護保険の保険料などを教職員と勤め先の学校法人が半分ずつ負担する。

 法律により、保険料の額は手当を含めた給料に応じて決まる。しかし、大産大は事業団に報告する給料の額に、時間外手当(残業代)、通勤手当などを算入していなかった。保険料の総額は本来より年間あたり約5900万円も少なくなっていた。その結果、将来受給できる年金は平均モデルで1年間に、事務職員約8万円、中高教員約2万円、大学教員約1万円も減る。

 賃金台帳などの資料から過少納付は90年から確認できたが、私学共済に加入した1954年から続いていた可能性がある。2003年以降、歴代担当者が問題に気付いて上司に相談したが、上司は「変更しない」と指示したり、「上と相談する」と言ったまま放置したりしていた。

 23日記者会見した吉岡征四郎理事長は「社会保険制度の根幹に関わる非常に重大な事案で、誠に申し訳ない」と謝罪した。今後は調査委員会で事実関係を究明し、関係者を処分する方針だ。

 事業団の担当者は「まさか学校でこんな問題が起こるとは思ってもいなかった。今後、注意喚起していきたい」と話した。【原田啓之、阿部亮介】

2年以上前の分は「法律で時効」と対応せず

 法人は、今月上旬に教職員へこの問題を知らせた際、「膨大な作業になる」などとして過去分の訂正を拒んでいた。事業団から要求されると、過去2年間分に限って不足する保険料を納めると表明した。

 ただ、2年以上前の分は「法律で時効になっている」と対応しない方針だ。失われた年金の大半は回復しない見通しで、退職者を含めた教職員約3000人の大半に影響するとみられる。

 法人は事務職員で年平均約8万円減ると説明するが、勤続年数が長かったり、時間外賃金が多かったりする場合はもっと減る。中堅職員は「年金が2000万円不足すると言われて老後の生活に不安があるのに、さらに年金が目減りするとは許せない」と憤る。

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