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余録

人口500人ほどの過疎地、しかも豪雪地帯だ…

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 人口500人ほどの過疎地、しかも豪雪地帯だ。山あいの一本道を上っていくと、やがてギリシャ風の野外劇場や合掌造りの民家を改築した劇場など六つの劇場群が姿を現す。富山県南砺(なんと)市利賀(とが)村は、世界的な「演劇の聖地」として知られる▲1976年、演出家の鈴木忠志さん(80)率いる劇団が東京から拠点を移した。毎年開催される演劇祭には、国内外から多くの演劇人やファンが訪れる。政府は「地方創生」を掲げるが、地方から世界への文化発信のさきがけでもある▲その利賀村を中心にきのう、日本で20年ぶりとなる演劇の祭典「シアター・オリンピックス」が始まった。93年にギリシャの演出家が世界の演劇人に連帯を呼びかけて、創設された。冷戦崩壊後、激化する民族紛争を憂えてのことだ▲とはいえ、二十数年たっても憂いの種はなくなるどころか増すばかりだ。国同士はエゴをぶつけ合い、国際協調はきしむ。22日には韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。日韓関係だけでなく、東アジア全体をも脅かす▲そんななかで開かれるオリンピックスである。ロシアとの共催となる今回のテーマもまさに「架け橋を創る」。日本では米国や中国、韓国など16の国・地域から30演目が参加する▲そもそも演劇は、2500年前のギリシャ劇の時代から、国家や民族間のいさかいや人間のおろかさを描き、共存への道を問いかけてきた。競い合うのは、メダルの色や数ではない。演劇の力が試されている。

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