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社説

AI兵器の国際指針 法規制につなげるべきだ

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 人工知能(AI)の判断で人を殺傷する「殺人ロボット」の兵器化が現実味を帯びる中、AI兵器を戦争で使用する際の判断はあくまで人間の責任で行われるべきだとする国際的な指針がまとめられた。

 スイスで開かれた国連会合の報告書に盛り込まれた。法的な拘束力はないものの、将来的な規制につながるものとしてまずは評価したい。

 AI兵器については軍事の省人化・効率化を図る目的で米国、ロシア、中国などが開発にしのぎを削る。人間が遠隔操作する無人機はすでに実戦で使われているが、AIを組み込めば、人の判断が介在しない「機械が人を殺す」戦争も可能になる。

 米国などはAIの判断の方が正確で速く、人的なミスも防げると主張する。しかし、AIは本当に標的を誤ることはないのか。AIが暴走して人々を殺りくする映画のような事態も絵空事とは言い切れまい。

 AI兵器を戦場に投入できるようになれば、自国兵員の人的損害を避けられることから、戦争を始めるハードルが下がるとの懸念もある。テロリストや独裁者の手に渡れば、世界が脅威にさらされる。

 危機感を強めた国際NGOなどが禁止キャンペーンを展開し、5年前に始まったのが国連の規制論議だ。

 国連の会合では、AIの判断だけで人を殺傷する兵器を「自律型致死兵器システム」(LAWS)と呼ぶ。中南米やアフリカなどの諸国がLAWSの禁止条約を結ぶよう主張し、技術開発で先行する米露などが反対する構図が続いている。

 そうした中、規制推進派も反対派も合意できる理念的な内容だけでも文書化しようとまとめられたのが今回の指針だ。AI兵器の開発に対する明確な歯止めにはならないが、人間の責任を前提とすることや国際人道法の順守などが確認された。

 国連会合の報告書には来年から2年間、さらに議論を重ねることも盛り込まれた。いったん実用化された後の規制が困難なのは核兵器の先例からも明らかだ。手遅れになる前に法的規制の検討に進むべきだ。

 日本政府は自衛艦や潜水艦などの一部システムをAI化し、自衛隊の要員不足に対応する構想を持つ。その立場から合理的な規制策を積極的に提案してはどうか。

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