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眠れる鉱物標本、最新技術で脚光 京大「比企コレクション」

1910年に撮影された京都帝国大の鉱物標本室。比企コレクションが陳列されていた=京都大総合博物館提供

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愛媛県の鉱山由来の輝安鉱=京都大総合博物館提供
比企忠=1926年撮影、京都大総合博物館提供

 質・量ともに国内最高峰とされながら、学術界でも存在が長く忘れられていた「比企(ひき)コレクション」と呼ばれる鉱物標本を、所蔵する京都大総合博物館(京都市左京区)が半世紀ぶりに調査し、データベース化を進めている。鉱物学者の比企忠(ただす)(1866~1927年)が集めた隕石(いんせき)など約1万点で保存状態が良く学術的価値が高い。最新技術で分析することで、宇宙探査や地球内部に関する新発見につながる可能性があるという。

    ハート形の日本式双晶=京都大総合博物館提供

     京都帝国大(現京大)の工学部採鉱冶金(やきん)学科教授だった比企が国内外から収集した。1904年に兵庫県丹波篠山市(旧岡野村)に落下した鉄隕石「岡野隕石」や、閉山した愛媛県の市之川鉱山産出の「輝安鉱(きあんこう)」の結晶などがある。

     京大内の展示室に陳列され、皇族や国内外の研究者も見学に訪れたが、60年代に展示室が閉鎖され台帳も紛失。2001年に同館に移管された後も収蔵室で眠っていた。

    岡野隕石=京都大総合博物館提供

     標本の埋没に危機感を抱いた京大などの研究者有志が00年代初め、調査に向けて手弁当で動き出し、12年に大学が整理・データベース化に着手。ほこりを手作業で洗浄したり、混在した鉱物を仕分けたりした。比企による詳細な標本ラベルを解読し、判別できないものは最新機器で結晶構造や化学組成を再分析して鉱物名を突き止め、産地名も更新しているという。

     14年、標本の一部を期間限定で一般公開し、今年3月には2622点の目録を第一部として刊行した。整理が完了するのは30年ごろの見通しで、同館の白勢洋平助教は「多くの金属鉱山が閉山した今の日本で、標本の学術的な価値はかけがえがない。最新機器で詳細に調査すれば鉱山の再開発につながるかもしれない」と期待する。

     コレクションの一部は11月3日まで同博物館で展示。白勢助教は「多くの鉱物を一度に見られる絶好の機会。夏休みの自由研究などに役立ててほしい」と来館を呼び掛けている。問い合わせは同館(075・753・3272)。【菅沼舞】

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