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社説

パラリンピックまで1年 記録映画残す方策探ろう

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 東京パラリンピックの開幕まで1年となった。22競技540種目に過去最多の4400選手が参加する予定だ。大会に向けて機運が高まっていくことを期待したい。

     そんな中、気になる話が伝わってきた。大会の公式記録映画を製作する計画がないというのだ。

     五輪の記録映画製作は1912年のストックホルム大会が最初だ。競技の様子を映像に残すことは記録性の観点から重要と考えられたのだろう。今では、国際オリンピック委員会(IOC)との契約で製作が義務づけられている。

     一方、第二次世界大戦後、障害者のリハビリの一環で開かれるようになったのがパラリンピックだ。統括する国際パラリンピック委員会(IPC)と記録映画の契約条項はなく、近年の大会でも作られていない。

     東京五輪・パラリンピックは「スポーツには世界と未来を変える力がある」を大会ビジョンに掲げている。さらに「未来への継承」が基本コンセプトの一つになっている。

     スポーツの力を世界の人々と共有し、後世に伝えていくことを使命としているのだ。五輪とパラリンピックとの間で、その思いに差があってはならない。

     64年東京パラリンピックにも公式記録映画はない。ただ、東京都や映画会社などが自主製作したドキュメンタリー映画が一部、残っている。

     映画には当時、社会的に閉ざされていた世界で生活していた障害者が描かれている。その中、前向きにスポーツに取り組み、社会復帰に強い希望を抱く選手の姿も映し出されている。日本の障害者スポーツの原点は64年大会にあるといっていい。

     その後、日本の障害者スポーツを取り巻く環境は劇的に変化した。大会の商業化や選手のプロ化も進む。そんな障害者スポーツの一時代を映像で残し、伝えていくことは多様性や共生を考える一助になるはずだ。

     「五輪・パラリンピックが一体となった記録映画を」との意見もある。組織委はIOCやIPCと協議を続け、検討してもらいたい。

     ソーシャルメディアの発達により、映像は誰でも残すことが可能である。そうしたものも集めて残す方策は取れないか。みんなでパラリンピックを支える手立てを探りたい。

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