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中島京子・評 『掃除婦のための手引き書』=ルシア・ベルリン著、岸本佐知子・訳

 (講談社・2376円)

鮮烈な印象残す物語

 タイトルは、収められた二十四の短篇(掌篇含む)の中の一作の表題から。こんな文章に読み手はびっくりする。

 「掃除婦が物を盗むのは本当だ。ただし雇い主が神経を尖(とが)らせているものは盗(と)らない」。

 掃除婦の「わたし」は、認知症気味の雇い主が溜(た)め込んでいる十五個もある瓶入りのゴマを一瓶盗んだ。それ以外に盗むのは、睡眠薬である。複数の家で働く彼女は、それぞれの家から集めた睡眠薬を三十錠持っている。バスに乗って、カリフォルニアのあちこちの家に行き、掃除をする彼女は、行く先々で、死んでしまった薬物中毒の夫、ターのことを考える--。

 掃除婦は、小説の作者であるルシア・ベルリンが実際に、自分自身と四人の子どもの生活のために選んだ職業…

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