メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

池内紀・評 『神主と村の民俗誌』=神崎宣武・著

 (講談社学術文庫・1156円)

「信心は宗教にあらず」と気づく

 神崎宣武(のりたけ)さんは宮本常一門下の著名な民俗学者である。岡山の吉備(きび)高原の南端、宇佐八幡神社に生まれた。由緒ある神社で、宣武さんで二十八代目。

 そこの跡継ぎが民俗学を勉強したいと申し出たとき、祖父と父は困惑しただろう。神社の務めを果たしながらできることか。少々のやりとりの末、許すことにしたのではなかろうか。世襲を宿命づけられている者に、せめて若いときだけでも好きなことをやらせたい。「民俗学者」がえたいの知れぬこともあった。神主業とかかわりがある気もするし、それに民俗学者は職がないそうだから、忙しくて帰郷できないといったこともあるまい。そんなわけで二重業の神主兼学者が生まれたような気がする。

 吉備高原はよく耕され、独特の美しい景観をみせている。農家は建物が大きく、背後に屋敷杜(もり)をもち…

この記事は有料記事です。

残り1123文字(全文1509文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. テレ朝報道番組「スーパーJチャンネル」でやらせ スーパーの客5人はディレクターの知人、関係者だった

  2. 独り暮らしの母犠牲「悔やみきれない」駆けつけた息子、手縫いの品見つめ 福島・本宮

  3. 「こんなこと想像も」停電、断水のタワマン疲れ果て 武蔵小杉ルポ

  4. 「声をかける暇もなかった」遺体発見 なぜ…悔やむ生存者 福島・本宮

  5. 「チケット当選してるんですけど…」戸惑いのツイートも 五輪マラソン札幌検討

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです