メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

沼野充義・評 『源氏物語 A・ウェイリー版 全4巻』=紫式部・著、毬矢まりえ・森山恵姉妹・訳

 (左右社・各3456円)

 『源氏物語』には、与謝野晶子を初めとして、谷崎潤一郎、円地文子、瀬戸内寂聴などによる数多くの近・現代日本語訳がある。現在、角田光代による最新訳も進行中だ(河出書房新社『日本文学全集』所収、全三巻のうち上・中が既刊)。そこにまた一つ、新たなバージョンが加わった。毬矢まりえ、森山恵の姉妹(姉は俳人、妹は詩人)による共訳で、最近第4巻が出て完結した。各巻ほぼ七百ページもある堂々たるものだ。しかも飛び切りユニークな訳文なので、これ以上新訳が要るだろうかなどという疑念を軽く吹き飛ばしてしまう。

 何はさておき、実例を見よう。誰もが知っている物語の冒頭は--「いつの時代のことでしたか、あるエンペラーの宮廷での物語でございます。ワードローブのレディ(更衣)、ベッドチェンバーのレディ(女御)など、後宮にはそれはそれは多くの女性が仕えておりました。その中に一人、エンペラーのご寵愛を一身に集める女性がいました。」カタカナ英語にはなんと、「更衣」「女御」といった漢字のルビがふられている。いったいどこ…

この記事は有料記事です。

残り1629文字(全文2087文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 伊藤健太郎“ほぼ裸”のポスタービジュアル掲載に照れ「ぜひ、やめていただきたい!」

  2. 首相「50年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」表明へ 国際圧力高まり対策強化

  3. 鳥取県教委、部活遠征で教員83人処分 生徒をマイカーに 実態に合わずの声も

  4. 社民・福島党首「党大会すべきでない」 幹事長「招集済み」 立憲合流巡り混迷深まる

  5. NHK、総務省提案の受信料義務化に慎重姿勢 「支払いは視聴者理解のもと」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです