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米軍基地問題 京丹後市が方針変更 見解示さず「一定理解」繰り返す

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宇川有志の会「責任回避」と反発

 米軍経ヶ岬通信所(京都府京丹後市丹後町)の軍人・軍属の交通事故が約束に反して1年以上報告されなかった問題で、市は23日、基地周辺住民でつくる「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の緊急質問状に文書で回答した。防衛省が加害、被害を問わず、事故内容を府と市に報告するとした約束を一方的に破棄し、「件数のみの報告とする」との方針変更を「容認」した市の対応について正面から回答しなかった。「有志の会」は「逃げて逃げて逃げ回っており、責任回避に終始している」と強く反発。再質問を含めて対応を検討している。【塩田敏夫】

 米軍の事故は2014年の基地発足に伴って多発。住民から強い不安の声が上がり、防衛省が「米軍経ヶ岬通信所安全安心対策連絡会(安安連)」で事故内容を速やかに報告すると約束した経緯がある。

 その約束は守られてきたが、昨年2月の事故報告を最後に何の説明もないまま途絶えた。府と市は繰り返し報告するよう求めたが、防衛省は「在日米陸軍に照会中」と回答するだけだった。

 しかし、防衛省は今年3月の第19回安安連で「今後は事故報告は件数のみにする」と表明。市を代表して出席した梅田純市副市長は長期間事故報告がなかった理由をただすことなく、これを「一定理解する」と容認した。

 基地がある宇川連合区の小倉伸会長(当時)は第19回安安連の場で「事故の内容がわかってこそ対策が取れる」と従来通りの事故情報の提供を求めたが、実際の事故報告は6月から3カ月に1回開く安安連で「件数のみ」となった。

 市は回答書で、梅田副市長が第19回安安連で発言した①事故情報の提供が途絶えたことは遺憾で、国はその責任をしっかりと果たすよう求める②市議会で「軽微な自損事故を問題としているわけではない」などの意見があることを紹介したうえで、事件事故防止のための必要な情報はしっかりと提供してもらうことが大前提③国内の公務員等の取り扱いと同様に(事故情報提供を)整理したいという(防衛省)の趣旨には一定理解できる――の3点を紹介した。

 しかし、「有志の会」が梅田副市長の対応について①事故情報が報告されなくなった理由をどうしてたださなかったのか②その件について市議会で何度も質問を受けていながらなぜ答えようとしないのか③米軍・防衛省が「事故報告は件数のみとする」と方針変更したことに「一定理解する」と発言したが、その発言を聞いている者に「変更を容認する」と取られるとは思わなかったのか――などとただした質問には正面から回答しなかった。

 三崎政直市長は6月28日の記者会見で「梅田副市長からは『これまで通りの適切な報告が前提で、防衛省の方針転換を容認したことはない』との報告を受けている」と表明した。7月26日に三崎市長とともに毎日新聞の取材に応じた梅田副市長は防衛省の方針変更を容認したかどうかについて「白か黒かをはっきりさせろと言われても。安安連で申し上げたことがすべて」と繰り返し、具体的に回答しなかった。

 永井友昭事務局長は「事故内容がわからず件数のみでどうして対策が取れるのか。梅田副市長は住民の安全安心が前提と言いながら自らその前提を崩してしまった。われわれ住民との対話も拒否し、地元自治会の意見も聞こうとしない姿勢は看過できない」と話した。

“逃げない姿勢”を

 事実を事実として認めない。米軍基地を巡る梅田副市長の対応の深刻さはここにある。

 事実は、米軍の事故報告は「件数のみ」とする防衛省の方針変更を容認したか否かである。梅田副市長は「安安連での発言が全て」と繰り返し、これに答えようとしない。三崎市長への報告の通り、容認していないならなぜその場で抗議し、撤回させなかったのか。防衛省方針を「一定理解する」とまっ先に容認したのは明白だ。

 実際、防衛省の通告通り、事故報告は3カ月に1回の「安安連」で「件数のみ」となった。基地がある宇川連合区の「安全対策の観点から従来通りの事故内容の報告を」との声を押し切った。容認していないなら今からでも遅くはない。住民を背負って防衛省通告を撤回させるべきだ。

 梅田副市長は「発言の真意を確かめたい」と面談を求める住民との対話を拒否した。市議会での質問に対しても正面から答えないケースが目立つ。逃げているとの印象を持たざるを得ない。

 「有志の会」の質問状への回答では、「国任せ」の対応が目立った。住民の生命・財産を守る最後の砦が自治体だ。問われているのは自治体の姿勢である。【塩田敏夫】

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