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50年以上続く毎日新聞夕刊社会面掲載のコラム。編集局の副部長クラスが交代で執筆。記者個人の身近なテーマを取り上げます。

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母子像が伝える真実

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「港の見える丘公園」にある「愛の母子像」。1977年9月27日の米軍機墜落事故で犠牲になった土志田和枝さん(左端の写真)ら母子3人をモデルに、遺族が建立した。右側に由来を説明した碑文がある=横浜市中区で2014年9月27日、斎藤良太撮影
「港の見える丘公園」にある「愛の母子像」。1977年9月27日の米軍機墜落事故で犠牲になった土志田和枝さん(左端の写真)ら母子3人をモデルに、遺族が建立した。右側に由来を説明した碑文がある=横浜市中区で2014年9月27日、斎藤良太撮影

 観光客でにぎわう港の見える丘公園(横浜市中区)の一角に、幼子2人を抱き寄せた母親の像がある。1977年9月、同市郊外の住宅地に米軍機が墜落した事故で犠牲になった母子3人の遺族が寄贈し、85年に設置された。

 遺族は国との賠償交渉で、母子像を「公の場所」に建てることを要望した。多くの人の目に触れることで、悲劇が語り継がれるのを願ったからだ。

 交渉の末、市が用地を提供した。ただ、都市公園法が特定人物の彫像設置を禁じているとして、由来を記した碑文の設置は認めなかった。本当は米軍に配慮したからではないか--。遺族らは納得できないまま、渋々従った。

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